おいしい紅茶を淹れるために、押さえておくべきポイントとは、どのようなものでしょうか。
実際に調べてみると、紅茶をおいしく淹れるために、様々な方法が紹介されています。いろいろあって、迷ってしまうかもしれませんが、基本的にプロが紹介するやり方なら、どの方法でもおいしく紅茶を淹れることができます。
ここで紹介するやり方は、「手軽さ」、「簡単さ」に重点を置いています。そして簡単な中にも、おいしい紅茶を淹れるためのポイントがいくつかありますので、そこを押さえながら、順を追ってご説明していきたいと思います。
紅茶を淹れるときに大事にしたいこと
レインブラントティーが紅茶を淹れるときに大事にして欲しいことは何かというと、「簡単に、気軽に紅茶を淹れる」ということです。
日常使いの紅茶は、「気軽さ」がとても重要です。生産者さんが大事に育ててくださった茶葉ですので、できるだけおいしく飲んでいただきたいと思いますが、そのことで簡便さを失っては、紅茶を飲む習慣はなかなか長続きしません。
皆さんにも、最初から本格的に淹れようとして、準備や後始末にエネルギーを使ってしまい、逆に疲れてしまって長続きしなかった、という経験はありませんか。
本格的に紅茶を淹れることも、慣れれば決して難しいことではありません。ですが初めは、とにかく「簡単に、気軽に」を意識して、日々の生活の中に紅茶が根付くようになることが、とても大事なことだと思うのです。
ここでは簡単に気軽に、紅茶をおいしく淹れるためのポイントを紹介したいと思います。
ポイントは4つだけ!
まず、準備するものですが、そこまで多くはありません。
<準備するもの>
・ティーポット
・ティーストレーナー
(またはストレーナー付きのマグ)
・ティーカップ
もし、ご自宅にティーセット一式がない場合は、ストレーナー付きのマグもおすすめです。後で説明するジャンピングは少し弱くなりますが、茶殻の始末が簡単で、とても手軽に美味しい紅茶を淹れることができます。
「紅茶はティーポットで淹れないといけない」と考える方も多いかもしれませんが、日常使いとしては、ティーポットよりも優れたアイテムではないかと思います。
そして、美味しい紅茶を淹れるためのポイントは、以下の4つです。
<美味しい紅茶を淹れる4つのポイント>
(1)汲みたての新鮮な水道水を使う
(2)水道水を沸騰するまでしっかり沸かす
(3)最初だけは、茶葉をきちんと計量する
(4)沸騰したてのお湯を注いだ後は、ふたをして3~5分蒸らす
これから、各ポイントごとに、詳しく見ていきましょう。
ポイント1-汲みたての新鮮な水道水を使う
紅茶のおいしさを引き出すための重要なポイントに、「ジャンピング」というものがあります。
これは、しっかりと酸素が含まれた状態の熱湯で紅茶を淹れると、ポットの中で茶葉が上下に対流し始め、まるでジャンプしているかのように見えることから、そのように呼ばれる現象です。
このジャンピングがきちんと起きていれば、茶葉が本来持つ香りやおいしさを、しっかりと引き出すことができている状態といえます。
電気ポットやケトルに長時間保存されたお湯では、水分中の酸素がすっかり抜けてしまっているため、新鮮な水道水を沸かして使うようにしましょう。
ポイント2-水道水を沸騰するまでしっかり沸かす
紅茶の味・香り・水色には、アミノ酸やカテキン類、カフェインなどが大きく関わっています。旨味成分のアミノ酸は低温でも茶液に抽出されるのですが、紅茶に含まれる爽やかな渋味はカテキンに由来し、カテキンは高い温度でなければ十分に抽出されません。
そのため、紅茶をおいしく淹れるためには、しっかり沸かした「高い温度の熱湯」を使うことが重要といえます。
一方で、先ほどジャンピングが起きるためには、「水分中の酸素量が重要」と説明しました。実は、水の温度が100℃に近づき、完全に沸騰状態になった後は、水分中から酸素はどんどん抜けていってしまいます。
そのため、本来はお湯をあまり沸かし過ぎるのは好ましくありませんが、逆に、90℃に満たない低い温度で紅茶を淹れてしまうと、カテキンの抽出が不十分でおいしさを十分に引き出すことができません。そこであえて、「沸騰するまでしっかり沸かす」と表現しています。
最初は、細かい温度は気にせず、しっかりと沸騰させれば大丈夫です。
ポイント3-最初だけは茶葉をきちんと計量する
「最初だけは茶葉をきちんと計量する」理由については、ポイント4のところで一緒にご説明したいと思います。
ポイント4-沸騰したてのお湯を注いだ後は、ふたをして3~5分蒸らす
茶葉と湯量、蒸らし時間の目安ですが、家庭用のティーポットであれば、だいたい350ml前後のお湯が入ると思います。少し大きめのマグであれば、同量くらいのお湯が入りますので、ここでは350mlを基準にして、目安となる茶葉の分量と蒸らし時間をご紹介します。
・ブロークンタイプの茶葉 3グラム/3分間(湯量350ml)
・リーフタイプの茶葉 5グラム/3~5分間(湯量350ml)
ここで、ポイント3で「最初だけ茶葉をきちんと計量する」と書いたことに触れたいと思います。そこには、2つの理由があります。
1つ目は、自宅でお使いのティースプーン1杯分のグラムを、目安で覚えておくためです。
「スプーンに小盛り2杯で3グラム、大盛り1杯で5グラム」といった感じで、自分なりの目安を覚えておけば、毎回茶葉を軽量しなくても、おおよそのグラム数をつかむことができます。
(ここではティースプーンと記載しましたが、もしご自宅にティースプーンがない場合でも、口が広めで茶葉をすくいやすいスプーンであれば、どんなものを使っていただいても構いません。)
2つ目は、実際は使用する茶葉によって、最適なグラム数や蒸らし時間は様々であるため、ファーストインプレッションの目安にするためです。もし、「3グラム3分」で淹れて軽く感じるようなら、茶葉の分量を増やしたり、蒸らし時間を長くしたりすることで、その茶葉に見合った最適な淹れ方を見つけることができます。
なお、ブロークンタイプの細かい茶葉は、短時間でしっかり茶液を抽出できるように作られていますので、短時間で蒸らすのがおすすめです。長く蒸らし過ぎると、苦みやえぐさを強く感じることがありますので、紅茶が「軽い」と感じるときは、蒸らし時間を変えずに、茶葉の量を少しだけ増やしてみましょう。
一方、レインブラントティーで取り扱っている和紅茶は、大半がフルリーフタイプの大きめの茶葉で、これらは長めに蒸らした方が、よりおいしさを抽出できます。
長ければ良いというものではありませんが、短時間だと、逆に十分においしさ(香りも含めて)を抽出し切れていない場合があります。
ものによっては、10分以上蒸らしても、ほとんど苦みやえぐみに変わらず、うまみや香りが増していくような茶葉もありますので、お好みに合わせて、十分な蒸らし時間を確保して、いろいろ試してみると、さらに紅茶の楽しさを感じることができるでしょう。
日常に根付いた紅茶ライフを
以上、「簡単でおいしい紅茶の淹れ方」ということで、できるだけ手軽に、簡単に紅茶を淹れる方法を、ご紹介してきました。
何度も紅茶を淹れていると、「あれ、これは茶葉が多すぎるかな?」とか、「この茶葉はサイズが大きいから、長めに蒸らした方がいいかな?」といった風に、経験値が自然と最適な淹れ方を後押ししてくれるようになります。
そうなれば、紅茶が日常に根付いた、より楽で簡易なものとして、これまでよりもぐっと身近に感じられるはずです。
紅茶は、何気ない日常を豊かにする力をもっています。毎日少しずつ、紅茶を習慣にすることで、豊かな紅茶ライフを楽しみましょう。