「国産紅茶グランプリ2020」結果発表
「国産紅茶グランプリ」のユニークな点は、「一般審査員」という形で一般からも審査員を募集し、専門家でなくとも、誰でも国産紅茶の審査に参加できるところです。今年は会場で一斉に審査をすることができなかったため、一般審査委員の自宅に審査用の紅茶が送られ審査を行うという形式となりましたが、こうした大変な状況の中にも関わらず、無事に本グランプリが実現できたことだけでも、本当に素晴らしいことだと思います。
気になる2020年の審査結果は、下記よりご確認いただけます。
本コンテストが始まった当初は、「べにふうき」をはじめとした紅茶品種(アッサム種系)が上位を独占しており、2020年もまだまだ「べにふうき」品種の優位は変わらないものの、様々な緑茶品種(日本種系)が見事に上位入賞を果たしました。日本独自の品種の味わいを表現しようという流れが、まさに本流化しつつあり、近年の国産紅茶の様相を一言で表すなら、「多様化」というキーワードが、とても相応しいように思えます。
また、レインブラントティーでも取り扱わせて頂いている、下記の茶園様も、本コンテストで見事に受賞されました。皆様、誠におめでとうございます。
「岩永製茶園」様
■チャレンジ部門 銀賞
「牧之原山本園」様
■プロダクツ部門 準グランプリ
■プロダクツ部門 一般審査員特別賞 第2位
■チャレンジ部門 一般審査員特別賞 第3位
■チャレンジ部門 銀賞
「お茶の千代乃園」様
■プロダクツ部門 準グランプリ
毎年、本グランプリの常連である「牧之原山本園」様は王道の「べにふうき」品種で、「プレミアムティコンテスト2020」で最高の5つ星を獲得した「岩永製茶園」様は紅茶では珍しい「とよか」という緑茶品種で、標高600mの雪降る山で生産される「お茶の千代乃園」様は定番種の「やぶきた」で、それぞれ受賞されました。
緑茶品種の多くは、「べにふうき」品種に見られるような「フルボディの紅茶らしさ」を追い求めるのではなく、緑茶品種がもつ「旨味・甘味」や「繊細な味わい」を引き出したり、あるいは中国茶や台湾茶がもつ「花香」を表現しようとしたりと、新しい方向性が模索されています。海外産の紅茶と比較しても、こうした日本の緑茶品種から作られた紅茶は非常に独自性が強く、「日本の品種を使い、日本人の嗜好に合わせた多様性のある紅茶作り」という流れは、今後の国産紅茶の未来を考える上でも、とても歓迎すべき材料ではないでしょうか。
さて、明日11月29日は「地紅茶サミット2020」がオンラインで開催されます。コロナの影響にも負けず、知恵と工夫により、国産紅茶のイベントに参加できることは、本当に幸せなことです。コロナを追い風にして、より一層前に進んでいけるように、明日はいろいろな生産者の方と交流をしてみたいと思います。